インクルーシブパーク

  • コラム

    インクルーシブ公園とトイレについて

  • トイレの全景写真

     きれいで使いやすいトイレがあると公園を利用しやすいですよね。いろんな人が使う公園のトイレだからこそ、清潔さや機能の充実、安心安全が求められています。

    令和6年10月、富山県空港スポーツ緑地インクルーシブひろばに新しいトイレ「すまいるトイレ」がオープンしました。利用する人すべてに笑顔になってほしいとの願いが込められ、インクルーシブ公園にふさわしい素敵なトイレとなりました。このトイレの特徴をいくつかご紹介します。

    カームダウン、クールダウン室

    カームダウン・クールダウン室の写真

    発達障がいや知的障がいの方などが不安やストレスを感じた際に、気持ちを落ち着かせたり、未然にパニックになるのを防いだりするために用意された部屋です。外部の音や周囲の視線、光を遮断する部屋で、大都市の公共施設などで導入が進められています。

    公園内での設置は、全国的にも珍しいですが、インクルーシブ公園を目指すのであれば設置が望ましい施設です。

    バリアフリートイレと機能分散

     多目的トイレや多機能トイレ、誰でもトイレと呼ばれていましたが、現在はバリアフリートイレと呼ばれています。他のトイレが混んでいる、広くて使いやすいなどの理由で本来必要のない人が使用することで、障がいのある方が使えなくなってしまいます。そのため本来の目的をはっきりさせるために、名称が見直されました。また、バリアフリートイレの利用集中を避けるため、おむつ替えシートやベビーチェア、幼児用便器を男子トイレ、女子トイレに配置し、機能を分散させています。

     そしてバリアフリートイレにはユニバーサルシート(介助用ベッド)が設置され、身体が大きい方でも広く利用することができます。おむつ替えシートのあるトイレは多いですが、介助用ベッドのある公園はそう多くはありません。

    平面図の写真

    運営管理での取り組み

     休憩スペースには飲料水の募金型自動販売機を設置しています。売り上げの一部が社会福祉施設や福祉活動団体に寄附され、飲み物を買うだけで社会貢献に繋がっています。

     そしてトイレ清掃の一部を障がい者就労支援事業所に委託し、就労の場を提供しています。公園を利用される方だけではなく、維持管理の運営側においてもインクルーシブを意識して取り組んでいます。

     インクルーシブ遊具の導入や施設のバリアフリー化だけではなく、トイレにも注目し、このようなトイレが全国的に普及するといいですね。